6年生は、これまでの総合学習のまとめとして一人一人が自分のテーマを決めそれを本にまとめる学習をします。テーマは、「自分にとって学ぶねうちのあること」「在校生に残すことを意識すること」。
その中でAさんが選んだテーマは、和光鶴川小学校の教育についてでした。
Aさんは、鶴小の教育について調べる中で、先生たちがどんな想いで教育をしているのかアンケートをとって掲載しています。
そのページ数はなんと76ページ・・・!先生たちも一冊本に真剣に協力しました。
後日書かれたアンケートへのお礼のお手紙にはこう書かれていました。
「一冊本のアンケートにご協力ありがとうございました!
出来上がった一冊本を是非見てください。
鶴小は、「話し合い」を大事にしている。
相手の考えを知る。理解しようとする。
同意できなくてもそれはそれでよい。
無理やりに答えを一つにしなくていい。
今自分が自由に思ったことを発言できるのは、鶴小の先生がどんな意見でも聞いてくれたから。
算数は答えは決まっているのに、
間違えた答えの考え方も
一つの考えとして取り上げてくれることは、
今思えば鶴小ならではだと思う。
自分にとってそれは日常で
当たり前のことだったけど、
こんな学校は他にないと思った。」
アンケート内容
Q1. 自由な意見を言えるようになるためには、何が必要・大切だと思いますか?
A1.
安心して生活できる環境。
自分らしくいていいんだ。自分がこういう人だと分かってくれる友達がクラスにいること。
A2.
子どもたちが自由に発言できるようにするには、その意見をよく聞くことです。
「それってどういう意味で言っているのだろう?」と一度受け止めて考えるとよいと思います。
意見、発言を大事にされると、子どもたちはよく意見を言うようになるし、そのために考えるようになります。
考えて、意見を言う心地よさがあると、もっと言いたくなり、自由に意見しやすくなります。
A3.
仲間や先生との信頼関係。
どうしてそう考えたのか、感じたのかを受け止めてくれるという安心感。いいたくなる教材(本物の学び)。
A4.
信頼できる仲間と思えるクラスの関係をつくること。
人のことを考えながらも、相手と対話するための伝え方をもっていること。
Q2. 子どもの想像力を育てるには、何が必要で大事だと思いますか?
A1.
色々想像することのできる元になる知識、材料、経験を一定持たせることは必要で、それをもとに想像を広げられる時間と場が必要です。
実物を見るばかりではなく、言葉だけから思い浮かべることを繰り返すのも大事です。本を読むとよいです。
A2.
たくさんの考えに出会うこと。
その中で、相手の立場に立ったり、自分だったら・・・と考えることが想像力につながると思います。
A3.
実際にやってみること。
その場所に行って、人に出会ったり、ものを見たり、あったことを知ったり、五感(目・耳・鼻・手・口)を使って感じること。
A4.
多様なできごとや活動をみんなで進めること。
立ち止まってじっくり考えたり、悩んだりすること。見ている世界を広げること。新しい発見。
Q3. 子どもの行動力を育てるには、何が必要で大事だと思いますか?
A1.
やってみる&やってよかったと思える経験の積み重ね。
失敗しても大丈夫。するから面白いと思える経験。それを面白がってくれたり、応援してくれる仲間の存在。
A2.
自分が行動したくなるような、夢中になれることを見つけること。
自分を人にひらいてもいい、と思える”人への信頼感”を色々な経験から育むこと。
A3.
自分判断の柱を自分なりに持ち、それをもとに考え、正しいと思ったら言ってみる、やってみる、思い切ってうごくことにチャレンジする経験を増やすことです。
思っている、考えているだけではなく、時には一歩進んでやってみるという積み重ねで行動力がつくと思います。
A4.
面白そう!とか楽しそう!とか自分の中で新しい発見がありそうだなと興味や関心が広がるとやってみたくなるのではないかと思う。
自分の内側からわいてくるものが大切。
Q4. 子どもが間違ったことをした時、心がけていることはなんですか?
A1.
学習の場合:なんでそう思ったのかの過程を考えてみる。
生活の中で:なんでそうしようと思ったのか聞いてみる。その人の持っている本音のところでどう解決できるか一緒に考える。
A2.
そもそも「間違えた」ととらえない。
ことが起きた中で子どもが何を考えているのか一緒に考える。
A3.
間違えたり失敗は、子ども本人や周りの子どもたちにもとても大切なことで、次に向かうエネルギーになるように、どうしてそうなったのか、どうすれば良いか一緒に考える。
A4.
間違えにもよるかなと思います。
その人がどんな思いでいる中、どういう中で間違えになったのかを聞く。
次どうしたらいいのか、自分と向き合えるように一緒に考える。
Q5. 子どもを教育するにあたって、一番大事なことは何だと思いますか?
A1.
目の前の子どもと対等な立場であること。
一人の人として尊重できているかを絶えずたしかめること。
押し付けではなく、その子自身の願いや思いを大切にすること。
A2.
「教育=教えこむ」とはあまり考えてない。
本来一人一人が持っている個性(その人のすてきなところ)を自分もいいなあ。と思えて、仲間と共にそこを成長させていけるといい。
A3.
「子どもを教育する」というふうに考えたことがありません。
A4.
子どもの思いや願いをうけとめられる学校を作ること。
子どもの発達を保障すること。
世の中意外と先生の都合が優先されている学校は多い。
Q6. 子どもを教育するにあたって、気を付けていることは何ですか?
A1.
ちゃんと子どもたちの声が聞けているかな、ということ。
一緒につくっていく仕組み。民主的な場。
自分も会議などで考えをきちんと伝える。
いろんな子がいて、いろんな生活を背中にしょって学校にきているということ。
A2.
常に子どもも大人も”対等な人間”であるということ。
A3.
子どもの話をよく聞くこと。
言葉にならない思いも含めてわかろうと努力すること。
何かしていてもその手を止めて子どもの目を見てよく聞いてまずは共感することを第一に思っています。
A4.
一人の人として向き合えているのか。
その子が自分に伝えたいことを受け止められているか。
Q7. あなたが思う鶴小とはズバリひとことで何?
・子どもと大人でつくる生活の場、学びの場
・何事にも何度でも挑戦できる場所
・子どもたちにとっても私にとっても学びの場である。「生きる」ということを学ぶところ。
・多様性が認められ、自由と平和を求める学校を目指している。
・子どもが主人公の学校です。
・地元
・人間が豊かに育つ学校(子どもも教師も親も)
・もっとも小学校らしい小学校。
・家族と暮らす家。
・日本の希望
・みんなが作り手である場所
・希望の光
・子どもを大事にする学校。子どもと共につくる学校。
・教師も子どももその人らしくいられる学校。楽しいことをしたい人たちが集まる学校。
Special Contents1
6年生Aさんが書いた「在校生に残す一冊本」のテーマは、和光鶴川小学校の教育についてでした。
6年間学んできたからこそわかる、鶴小の魅力を一冊本より抜粋しながらご紹介します。